智代アフター~It's a Wonderful Life~
はい、KEYの作品のレビューについてはこれが初の投稿になります。定額給付金を消費活動にあてた結果このソフトが僕の手中に。値段の問題と賛否両論がはっきりと対立する評価のため、攻めあぐねていましたが、何とか思い切りをつけました。KEY作品ようやくコンプリートです。買ったのはPC原作版です!ちなみに
ネタばれがありますので、未プレイのかたはお早めに戻るボタンをお願いします。
では感想を、まずシステム面、いつものKEYです、はい。前の選択肢に戻るは本当に便利です。あとインストール後ディスクなしで起動できるのも太っ腹ですね!
音楽、BGM。いつものクオリティ+αがありました。折戸さん安定してます。Light Colors神曲すぎて泣きました、OPの時点で。
泣きゲーのハードルをクリア
したので本編はそういう目線なしで純粋にシナリオが見れそうです。EDも鉄壁。でも両方とも歌詞ネタばれしすぎです。
CG、いたるさんじゃないんですね、わりとシャープで綺麗な印象を受けました。いたるさんの丸みを帯びた絵とは違いますね、CLANNADとのすみ分けでしょうか(CLANNADという単語を出しただけで涙腺崩壊してしまいました。)、調べたらフロントウィングのうたシリーズの方だったようで納得。
本編、序盤は緩い雰囲気、いつもの平凡だが幸せな日常です、個人的には春原いたら最高でしたね。
とはいえ、2人がのろけすぎててうぜぇ。程よく笑いもありクリックすることに辛さがないですね。ここら辺から僕の鷹文株が上がり始めます。
可南子とダブルで涼森ちさとボイスが堪能できるとは贅沢の一言です。あの人マジでうまいっす、普通に聞いてたら全く他人、僕の耳が悪いだけかもしれませんが。
なんか智代、朋也、鷹文、可南子、ともの5人が揃ってからは、朋也が将来も智代を守れるように苦難に立ち向かうみたいな展開に。ここで勘違いしてはいけないのが主人公は朋也ではなく、あくまで智代だということです!ここ間違えるとEDが納得できなくなってしまいます、まじで。
順調に鷹文のところで涙腺が刺激されつつ、とものエピソードへ。
なんか示唆されていましたがここで智代の問題が浮き彫りに。
すなわち人生の目的の欠如による自我のなさ、それによる他者への依存です、あとそれを守るためには手段をいとわないところなど。他者への配慮の欠落でしょうか。永遠の愛があるなんて本気で言ってるひとがいたら怖いですよ。
だから自分のためにともをそばに置いておこうとする、とものことなど考えもしないで。だから3人で暮らすことがバッドエンドにつながるのです。狭い3人だけの他者のいない世界で生きていく智代、そしてそのなかで際限なく堕落していきます。だれか欠けたら、なにか問題が起きればすぐに崩壊ですね。見た目は幸せでも智代は自立していないし、自分の考えというものがないので(いい意味では他人思いともいいます、それが強調されるとEDにつながる。)智代は何もすることができないでしょう。
だから朋也はわざと突き放すんです。そこを乗り越えられれば智代は成長する。そしてともとの約束を果たし、1歩前へと踏み出します。
そして最後の試練である、朋也の記憶障害との闘い、一切の詳細が判明しないままラストへと向います。ラストを盛り上げる演出であるかもしれませんが、プロセスは重要ではなかったのかもしれませんね。
そして朋也の一言で智代は手術の決心をします(その言葉は本編でお確かめください)。それまでは失うことを極度に恐れていた智代が。
それは自分との決別であり、自立への道、ようやく一人で生きていけるまで成長。だから智代から朋也は奪われた、本当に一人になっても生きていけるか。いままで不格好にではあるが朋也に守られて生きてきたわけでそのよりどころをなくしたときに智代は試される。
人生の宝物は朋也と紡いできた日々に得られた智代の心の成長、それは追憶ではなく心に残り続けています、だから智代の心は外へと向かった。
いままで内側にしか向いてなかった智代の心が外に向いたことは朋也が智代に残した財産であるといえるかと。
コンピューターに表示された文章からもわかるとおり智代は朋也が思い描いた人間へと成長したのではないでしょうか。これを暗いエンドととるのはもったいないかと。前向きに懸命にいきる智代は美しいです。
CLANNADの他ヒロインは朋也に導かれ成長することができましたが、智代は違う。悪く言えばほったらかしエンド。自分一人で頑張った、というかすでに強く、明確な目標があった。(ここに麻枝さん自身惚れたのかも知れません)
でも、本当は彼女自身のことは何も解決していなかった。
だからこその智代アフター。
智代の成長物語であって、彼女が主人公といった根拠もここにあります。
朋也を殺してお涙頂戴がいやという方は感情移入が激しいかたなのでは?現実的にはあれは一種の表現技法であって、KEYの根底にある(と僕が勝手に思っている)過酷な現実を乗り越えて、今を生きていく強さを得ることが作品を通して伝わってきます。
涙を流したいユーザーのための死ではありません。死は現実でも空想でも最もつらい試練であります。それに直面し、向き合い成長できるかというのが問題です。
だから、この作品はまぎれもなくKEYのものだと言えるでしょう。僕は肯定派です。否定派のかたは智代が大好きなんでしょう、智代がともをみるように、もしくは僕もですが、キャラ死亡に食傷気味かなと。
CLANNADの智代エンド見てると物申したい気持ちも痛いほどわかります!でもこの作品がKEYのなかでも、一番明確な試練の答えを出している気がします。
だから奇跡も起こらない、手術もうまくいかない。でも残るものが一番多い、とても現実的なシナリオだなと思いました。時間がたてばじわじわとなじんでくるんじゃないかと。
余談其の一、D&Tかなり燃えました。KEYスタッフ遊びすぎ。
余談其の二、ラストはアフター入ってからラストまで涙腺崩壊、嗚咽の嵐でした!
余談其の三、一番好きなキャラが鷹文は病気ですか?
結論、いくらいいゲームでも定価以上では買いたくない。
こんなところで失礼します。ご意見、反論、苦言等、随時受け付けています。
ではまた!
ネタばれがありますので、未プレイのかたはお早めに戻るボタンをお願いします。
では感想を、まずシステム面、いつものKEYです、はい。前の選択肢に戻るは本当に便利です。あとインストール後ディスクなしで起動できるのも太っ腹ですね!
音楽、BGM。いつものクオリティ+αがありました。折戸さん安定してます。Light Colors神曲すぎて泣きました、OPの時点で。
泣きゲーのハードルをクリア
したので本編はそういう目線なしで純粋にシナリオが見れそうです。EDも鉄壁。でも両方とも歌詞ネタばれしすぎです。
CG、いたるさんじゃないんですね、わりとシャープで綺麗な印象を受けました。いたるさんの丸みを帯びた絵とは違いますね、CLANNADとのすみ分けでしょうか(CLANNADという単語を出しただけで涙腺崩壊してしまいました。)、調べたらフロントウィングのうたシリーズの方だったようで納得。
本編、序盤は緩い雰囲気、いつもの平凡だが幸せな日常です、個人的には春原いたら最高でしたね。
とはいえ、2人がのろけすぎててうぜぇ。程よく笑いもありクリックすることに辛さがないですね。ここら辺から僕の鷹文株が上がり始めます。
可南子とダブルで涼森ちさとボイスが堪能できるとは贅沢の一言です。あの人マジでうまいっす、普通に聞いてたら全く他人、僕の耳が悪いだけかもしれませんが。
なんか智代、朋也、鷹文、可南子、ともの5人が揃ってからは、朋也が将来も智代を守れるように苦難に立ち向かうみたいな展開に。ここで勘違いしてはいけないのが主人公は朋也ではなく、あくまで智代だということです!ここ間違えるとEDが納得できなくなってしまいます、まじで。
順調に鷹文のところで涙腺が刺激されつつ、とものエピソードへ。
なんか示唆されていましたがここで智代の問題が浮き彫りに。
すなわち人生の目的の欠如による自我のなさ、それによる他者への依存です、あとそれを守るためには手段をいとわないところなど。他者への配慮の欠落でしょうか。永遠の愛があるなんて本気で言ってるひとがいたら怖いですよ。
だから自分のためにともをそばに置いておこうとする、とものことなど考えもしないで。だから3人で暮らすことがバッドエンドにつながるのです。狭い3人だけの他者のいない世界で生きていく智代、そしてそのなかで際限なく堕落していきます。だれか欠けたら、なにか問題が起きればすぐに崩壊ですね。見た目は幸せでも智代は自立していないし、自分の考えというものがないので(いい意味では他人思いともいいます、それが強調されるとEDにつながる。)智代は何もすることができないでしょう。
だから朋也はわざと突き放すんです。そこを乗り越えられれば智代は成長する。そしてともとの約束を果たし、1歩前へと踏み出します。
そして最後の試練である、朋也の記憶障害との闘い、一切の詳細が判明しないままラストへと向います。ラストを盛り上げる演出であるかもしれませんが、プロセスは重要ではなかったのかもしれませんね。
そして朋也の一言で智代は手術の決心をします(その言葉は本編でお確かめください)。それまでは失うことを極度に恐れていた智代が。
それは自分との決別であり、自立への道、ようやく一人で生きていけるまで成長。だから智代から朋也は奪われた、本当に一人になっても生きていけるか。いままで不格好にではあるが朋也に守られて生きてきたわけでそのよりどころをなくしたときに智代は試される。
人生の宝物は朋也と紡いできた日々に得られた智代の心の成長、それは追憶ではなく心に残り続けています、だから智代の心は外へと向かった。
いままで内側にしか向いてなかった智代の心が外に向いたことは朋也が智代に残した財産であるといえるかと。
コンピューターに表示された文章からもわかるとおり智代は朋也が思い描いた人間へと成長したのではないでしょうか。これを暗いエンドととるのはもったいないかと。前向きに懸命にいきる智代は美しいです。
CLANNADの他ヒロインは朋也に導かれ成長することができましたが、智代は違う。悪く言えばほったらかしエンド。自分一人で頑張った、というかすでに強く、明確な目標があった。(ここに麻枝さん自身惚れたのかも知れません)
でも、本当は彼女自身のことは何も解決していなかった。
だからこその智代アフター。
智代の成長物語であって、彼女が主人公といった根拠もここにあります。
朋也を殺してお涙頂戴がいやという方は感情移入が激しいかたなのでは?現実的にはあれは一種の表現技法であって、KEYの根底にある(と僕が勝手に思っている)過酷な現実を乗り越えて、今を生きていく強さを得ることが作品を通して伝わってきます。
涙を流したいユーザーのための死ではありません。死は現実でも空想でも最もつらい試練であります。それに直面し、向き合い成長できるかというのが問題です。
だから、この作品はまぎれもなくKEYのものだと言えるでしょう。僕は肯定派です。否定派のかたは智代が大好きなんでしょう、智代がともをみるように、もしくは僕もですが、キャラ死亡に食傷気味かなと。
CLANNADの智代エンド見てると物申したい気持ちも痛いほどわかります!でもこの作品がKEYのなかでも、一番明確な試練の答えを出している気がします。
だから奇跡も起こらない、手術もうまくいかない。でも残るものが一番多い、とても現実的なシナリオだなと思いました。時間がたてばじわじわとなじんでくるんじゃないかと。
余談其の一、D&Tかなり燃えました。KEYスタッフ遊びすぎ。
余談其の二、ラストはアフター入ってからラストまで涙腺崩壊、嗚咽の嵐でした!
余談其の三、一番好きなキャラが鷹文は病気ですか?
結論、いくらいいゲームでも定価以上では買いたくない。
こんなところで失礼します。ご意見、反論、苦言等、随時受け付けています。
ではまた!
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